「なぜ、先生は何もしてくれないのだろう?」と、思っていた。
中学生の時、同じクラスに、ずっと学校に来ない子がいた。
教室で配られたお便りや、宿題のプリントは、
彼女の机の引き出しに貯まって、いっぱいになっていた。
帰り道の途中に、彼女の自宅があることを知っていた私は、
お便りやプリントの束をもって、寄り道をして尋ねた。
玄関のチャイムを押して、しばらく待ったが、誰も出てこなかった。
しかし、平屋の家の奥で気配がして、誰かが家の中でいるのは明らかだった。
仕方なく、私は、彼女のお便りやプリントを郵便ポストに入れて帰った。
しばらくして、また、彼女の机の引き出しがいっぱいになった。
お便りやプリントがあふれて、落ちた。
私は、それらをまとめて、帰り道に彼女の家へ寄った。
チャイムを鳴らしたが、誰も出てこない。
私は、彼女のお便りやプリントを郵便ポストに入れて、帰った。
特に親しい友達ではなかった。
ただ、同じクラスの生徒で、私の帰り道の途中に、彼女の家があっただけだ。
また、しばらくして、彼女の机の引き出しがいっぱいになった。
私は、思った。
「なぜ、担任の先生は、何もしてくれないのだろうか?」と。
『みんなの学校』という映画は、
大阪にある大空小学校の1年を追ったドキュメンタリー映画だ。
「大空小学校は、一人ひとりがつくる学校です」
「一人って、誰のことですか?」
「…自分です」
映画の中に、校長の木村先生と小学生のこんな会話が出てくる。
これから未来を生きていく子どもたちに、知ってほしいことを教えている。
もし、私が、大空小学校のような学校に通っていたら、
地域に大空小学校のような学校があったら、
中学生の私の考えや行動は、もっと違うものだったかもしれない。
担任の先生に対して、何か、話したかもしれない。
大人に対して、諦めなかったかもしれない。
大人に対して、諦めなかったかもしれない。
「みんなの学校」は、「みんなの地域」「みんなの社会」につながっている。
「みんなの学校」http://minna-movie.com/
お勧めします。
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