取材の動機は、不純でした。
あなたのことを皆に知ってほしいから、
あなたのことをたくさんの人に伝えたいから、
そんな理由をつけていましたが、
本当の目的は、おそらく、別のところにありました。
車いす陸上の小島将平選手は、自宅で療養生活を続けていました。
がんで友人を亡くしている私にとって、小島の病の再発は、私の心に重く響きました。
私に何ができるだろう?
いや、何もできない。
しかし、このままでもいられない。
自分がどうすべきか迷い、時間ばかりが過ぎていきました。
闘病しながら、陸上の練習を続けていた小島選手の体が
しだいに細くなり、
競技用の車いす(レーサー)に乗れない状態になりました。
迷っている場合では、ない。
私に、何かできることがあるとすれば、
それは、小島選手に取材することしかないと思いました。
「皆に知ってほしいから」
「たくさんの人に伝えたいから」という理由は、
偽りではないけれど、
小島選手を取材した理由は、それだけではなかったかもしれません。
本当の理由は、自分でもまだ、よく分からないのです。
それでも、小島選手から聴いた話を原稿に書きたいと思いました。
ずいぶん時間がかかってしまいましたが
パラスポ!http://paraspo.info/
に連載「なぜ、君は、走るのか?」を掲載していきます。
今回の取材にあたり、ご協力くださった小島将平氏、
奥さんの美幸さん、ご家族、ご友人の皆さまに感謝いたします。
【なぜ、君は、走るのか】Vol.1
奥さんの美幸さん、ご家族、ご友人の皆さまに感謝いたします。
【なぜ、君は、走るのか】Vol.1
http://paraspo.info/