2018年2月21日水曜日

未来を想うと不安になるのは、なぜ? 仮想通貨の拡がりの背景にあるものは




仮想通貨ビットコイン、お持ちですか?
私は、まったく興味がなかったのですが、
最近のニュースで、私の予想よりもビットコインを持っている人、
使用している人がはるかに多いことを知りました。

たしかに、「お金」を持っていると、欲しいものが買えたり、
旅行ができたりします。(価値あるモノとの交換)

将来、病気の療養や介護が必要になった時に、
お金が頼りになるという側面もありますね(資産)

仮想通貨で持つのがいいのか、日本円で持つのがいいのか分かりませんが、
「できるだけ、たくさんのお金をほしい」
「持っているお金をもっと増やしたい」
そういう気持ちは、多くの人に共通するものなのかなと
改めて、考えているところです。

ただ、どのくらいの「お金」があれば十分なのかは、人それぞれかもしれません。

「モモ」「はてしない物語」などの著者であるミヒャエル・エンデのインタビューや蔵書をもとにまとめられた「エンデの遺言」を手に取りました。

より良い人生を生きるための「お金」であるはずが、
「お金」を得るために、心と身体を消耗しているようなことが起こる。
それは、なぜか。
「お金」そのものの性質について、改めて考えさせられる本でした。

この本に文章を寄せている河邑厚徳さんによると、
エンデは、人は目に見える危機には対処できるが、目に見えない危機には無力な存在であると言っている。
解決ができないような根源的な問題に対しては、気が付いていても目をそむけていると言った方がよいのかもしれない。
さらに、エンデは、かつては、過去の文化や歴史を学ぶことで、現代の問題にどう対処すべきかが了解できたが、私たちが今、向き合っている「お金」の問題では、どう考えるべきかの規範が過去にはない。したがって、未来を想定し、何が起きて来るか予言的に直視しなければならないと語っている。
問題解決を、過去からではなく、未来から考える。それが、エンデのファンタジーの力である。

「お金」を求める気持ちを考えるとき、その心には、未来に対する漠然とした不安があるように思います。

これから先、どんなことが起こるか分からない。
経済の動向、高齢化社会、加齢に伴う体力や気力の低下などなど、
不安につながる要素が出てきた時、
とりあえず、それらに関連する危機を乗り切れるように備えておきたい気持ちになります。
頼りにできるのが「お金」。
「お金」を所有することで、安心が担保されるという発想が沸いてきます。

いざと言う時に頼りにできるのは、「友達」「地域の人々」と思えたら、
「お金」も大事だけど、「お金」を求める気持ちはそれほど強くないかもしれません。

一方で、孤立していて、友達や地域の人々など頼りにならないと思ったら、
「お金」を頼りにするようにも思います。

「お金」は、万能ではないということに、改めて気が付かされた一冊です。



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